
ほんた店長
僕は,小説を読み続けることで「うつ病」から復活することができました! 僕自身がなぜ復活できたかを紹介します!
上の図で言えば,この時の僕の状態はすでに「急性期」に入っていました。
後になって思うと,この時にすぐに病院に行けばよかったんです。
でもやらなければならないこともあったり,病院へ行くことへのためらいもあり,我慢してしまったんですね。
これまでは人の話も難なく理解できたのが,だんだん理解するのに時間がかかったり,聞きなおしたりするようになってしまいました。
同時にいろいろな不安から抜け出せなくなりました。
何をするにも自信がないし,決断することもできない。
これまでにない自分の状態に恐ろしくなってきました。
「これはまずい」と思い,インターネットで「うつ病」のことを調べたんです。
ネットに書かれていることと,自分に起こっていることが完全に一致していました。
「あぁ,僕はうつ病なのかもしれない。。。」
それから約1ヶ月ほど仕事を何とか続けましたが,状態は変わらず。
気合で治る病気ではないというのに,この時やっと気づいたんです。
そしてとうとう決断をするのです。心療内科へ行こうと。もう限界でした。
そこで「うつ病」と診断され,休職をすすめられるのです。
このまま仕事を続けても「周りに迷惑をかけるだけだ」という思い。
休んでしまえば「もっと迷惑をかけてしまう」という思い。
いろいろ考えましたが,医者に勧められたように休職しました。
今思えば,もうこの時すでに体が悲鳴を上げていたってことなんですね。
休んでしまうと最初は少し楽になりました。もう仕事に行かなくていいんだ,と。
病院でもらった薬を朝昼晩飲む生活が始まりました。
飲んだ薬は抗うつ剤,抗不安薬です。
うつ病になると,朝起きれなくなります。
まるでベッドに自分の体が鎖でつながれているかのように。
誰とも会いたくなかったです。外にも出たくなかったです。
テレビも見たくない,見るのはスマホで見るサイトや動画ばかり。
そして,1ヶ月経ったあたりでしょうか。徐々に体が回復してきたのは。
これは抗うつ剤のおかげです。抗不安薬も同時に飲んでいたせいか,気持ちはかなり楽になってきました。
こうなってくると,徐々に現実に押し戻されてくるのです。
「あぁ,僕は休職しているんだった。みんなはちゃんと働いているのに。。。」
休職しているという負い目は何とも言い難いものでした。
仕事を休んで心や体が楽になってきたのに,今度は仕事をしていないという不安がどんどん膨らんできたんですね。
体が少し動くようになってきたのに,不安で不安でたまらなくなる。
しかし生活もかかっていたので,時間はかかりましたが「復職」することにしました。
約5ヶ月の休職期間から復帰しました。
最初に復帰した時は本当に怖かったです。
「周囲の人はどう思っているのだろう」「うつ病って思われてんだろうな」
確かその初日は社員全員の前で,
「ご迷惑おかけして申し訳ありませんでした。。。」
そんな挨拶をしたように思います。
まるで,腫れ物に触るかのように接してくる同僚たち。
そして「また同じことが起きるのではないだろうか」という不安。
結局何も解決していないんじゃないのか?
入社した頃の新鮮な気持ちはすでに無くなっていました。
そんな日々を送っていた頃,僕はある一冊の小説と出会います。
東野圭吾さんの「プラチナデータ」です。
仕事もお盆休みに入り,少し時間に余裕ができたんですね。
「まっ,ヒマだから読んでみようかな」くらいの気持ちで。
これまでの人生で,小説を読んだのは良くて「年に一冊」程度。
どちらかというと「自己啓発本」の方をよく読んでいました。
プラチナデータの話に戻りますが,それはそれはもう夢中になりました。
あまりの面白さに次は「さまよう刃」を読みました。
そうすると今度は「また別の本も読みたい」と思うようになりました。
「よしっ! 東野圭吾の作品を全部読んでやろう!」と片っ端から買いまくりました。
これが,僕が小説を読むことを習慣にできたきっかけです。
さらには自作の感想サイトを作り,読んだ本のすべてをサイトに登録するようにもなりました。
せっかく読んだから「覚え書き」程度の気持ちで始めました。
そして約80冊もの東野圭吾さんの作品を全部読むことができたのです。
この時の達成感はすごかったです。何か大きな仕事をやったような感覚。
文章を書くスキルもかなり身についたと思います。
高校時代まではあれだけ本を読むのが嫌いで,読書感想文なんかまともに書いたことがない自分が,数十年経って読書感想文を打っている。
不思議なものですね。かつては苦手だった読書が,今は立派な趣味になっているんです。
そしてこの頃にはもうすでにかなり自分の体も回復していました。
というよりは,自分の脳が以前よりかなり良い状態になっていることに気づいたのです。
人の話も1から10聞かずとも理解できるようになりましたし,人前でスピーチするのも好きになりましたし,会議への参加,議事録の作成など,仕事に対して大きな自信を持てるようになりました。
この時でしょうか。「あぁ,生きててよかった。。。」と思えたのは。
「うつ病」って心の病気って言いますけど,結局は「脳の病気」なんですよね。
それは,実際にこの病気に罹って理解できたことです。
僕がラッキーだったのは,小説に出会えたこと。そして読書を継続できたことです。
人生最悪の状態だった僕が,今はこうやって生き生きしていられるのは本当に「小説」のおかげなんです。
人間って,加齢とともに体や脳も衰えてくるものだと思いますけど,脳にとって良いことを継続すれば,逆に若返るのではないかというふうにも思います。
おそらく,社会人になりたての時よりも今の方が僕の脳は活発に動いていると思います。そのくらいの変化を感じてます。
あの時「プラチナデータ」に出会えなければ,今の自分はなかったと思います。
それを考えると本当に僕は運がよかったと思います。
だから僕にとって,小説は人生においてなくてはならないものなんです。
現在メンタル疾患に罹っている方々が,同じ方法で改善できるかというと,それはわかりません。
僕は医者ではないし,心理カウンセラーでもないので。
でも,何か自分を変えたい,どうしたらよいかわからない,という方のために敢えてアドバイスするとすれば,自分にとって何か興味があるものを続けてみることかなと思います。
そして,それがもし「小説を読むこと」であれば,こんなに嬉しいことはないです。
少しでも多くの方に,自信を持って生きられる喜びを味わってほしいと思うのです。
